昭和7年 旅客営業開始
地域からは客扱いの要望が多く、大分県重岡村と宮崎県北川村は鉄道省に請願を続けた。当時の西畠駅長も尽力。昭和7年8月、請願者が乗降場設備工事費900円(重岡村850円、北川村50円)を負担することで、旅客乗降を許可された。7年12月6日から旅客営業を開始した。この日は、国分〜都城がつながり、現在の日豊線が形成された記念すべき日でもある。下りホームに西畠駅長らの功労記念碑が建てられている。信号場から駅に昇格したのは昭和22年3月1日。
昭和22年 駅に昇格 宗太郎越え、すなわち小倉・大分・佐伯―宮崎を結ぶ列車は、大正12年の開業から7往復が続いた。時代は昭和になり、信号場で客扱いができるようになったころは8往復。昭和11年、ついに日豊線初の急行(203、204レ)が登場する。華やかな時代は長くは続かない。太平洋戦争が始まり、戦局が悪化すると軍需列車の比重が大きくなり、旅客列車は減少。戦後の昭和25年に6往復に回復するが、戦前のレベルには達しない。どの列車もスシ詰めで、輸送力は不足していた。
急行も客扱い停車
昭和30年代に9往復、高度成長経済に入った昭和40年代には、地方の鉄道輸送力の強化も行われた。宮崎観光ブームも手伝って、43年には17・5往復。準定期列車だった、新婚さんの「ことぶき」号や「宮崎観光」号を加えると、19・5往復に達した。なんと宗太郎駅に急行「日南3」が客扱停車するという快挙も。それもつかの間、宗太郎は重岡と共に47年3月無人化。
昭和49年4月、宮崎電化が完成。宗太郎峠にも電車が走るようになった。SLが苦労した峠を、モーターの音も軽やかに駆け上がった。55年には20・5往復に達する。この後は、赤字国鉄の列車削減で、昭和62年には15往復。これでJRに移行した
峠越え21往復時代
JR九州も一時積極策に出て、平成7年には21往復としたが、運ぶのは空気ばかり。特急「富士」も消え、列車が年々減少、ついに14往復に。昭和30年の水準に逆戻り。JR化後、列車本数が年々減少しているのは、九州の本線の中ではここだけ。看板の特急「にちりん」も787系つばめ型(2000年撤退)→783系ハイパーサルーン型(5往復→3往復)→485系と年々グレードダウン。
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★日豊線・宗太郎越の列車
■大正14年
【峠越え】7往復
■昭和9年
【峠越え】8往復
★宗太郎信号所客扱い停車
【下り】6:49,9:53,12:54,14:50,16:55,18:57,22:40
【上り】6:12,8:01,9:54,13:22,15:18,18:31,21:13
■昭和15年
【峠越え】9往復(急行1、普通8)
★宗太郎信号所客扱い停車
【下り】6:56,9:35,13:08,15:22,17:36,19:48,22:05
【上り】6:12,7:46,9:34,12:38,15:24,18:46,21:28
■昭和19年
【峠越え】7・5往復(普通下り7、上り8)
★宗太郎信号所客扱い停車
【下り】6:51,9:31,12:46,15:42,17:45,19:22
【上り】6:14,8:06,9:58,12:48,16:07,18:55,21:27
■昭和25年
【峠越え】6往復(準急1、普通5)
★宗太郎駅客扱い停車
【下り】5:12,6:45,9:46,13:54,18:44
【上り】8:45,12:16,16:20,21:37
■昭和31年
【峠越え】9往復(急行1、準急1、普通7)
■昭和43年(1968)
【峠越え】17・5往復(特急4往復、急行7往復、
普通下り7本、上り6本)
これ以外に、臨ながら準定期の
急行「ことぶき」「宮崎観光」あり。
★宗太郎駅客扱い停車
【下り】
6:13,9:07,12:34(急日南3),13:54,16:40,17:52,20:00
【上り】
6:46,8:08,12:58,16:38,18:26,19:26(急日南3)
■昭和55年(1980)
【峠越え】20.5往復(特10、急5、普下り6、上り5)
★宗太郎駅客扱い停車
【下り】6:46,8:37,14:31,16:46,17:32,19:38
【上り】6:23,9:01,13:20,16:34,18:50
■昭和62年(1987)
【峠越え】15往復(特急9、急行1、普通5)
★宗太郎駅客扱い停車
【下り】7:02,9:01,15:29,17:23,19:46
【上り】6:46,8:45,14:00,17:01,19:28
■平成4年(1992.7)
【峠越え】18往復(特急12、急行1、普通5)
■平成5年(1993)
【峠越え】20往復(特急15、普通5)
★宗太郎駅客扱い停車
【下り】7:06,8:30,15:56,17:37,19:41
【上り】6:39,8:30,14:04,17:03,19:41
■平成7年(1995)
【峠越え】21往復(特急16、普通5)
■平成13年(2001)
【峠越え】14往復(特急9、普通5)
★宗太郎駅客扱い停車
【下り】7:03,8:29,15:54,17:57,20:05
【上り】6:32,8:29,14:01,17:05,19:56
■平成15年(2003)
【峠越え】16往復(特急11、普通5)
★宗太郎駅客扱い停車
【下り】7:03,8:29,15:55,18:10,20:06
【上り】6:32,8:29,13:49,17:06,19:56
■平成16年(2004)
【峠越え】16往復(特急14、普通2)
★宗太郎駅客扱い停車
【下り】7:03,18:06
【上り】6:31,17:20
■平成17年(2005/10/1)
【峠越え】17往復(特急14、普通3)
寝台特急「彗星」廃止/代替「にちりん」運行
★宗太郎駅客扱い停車
【下り】7:03,18:06,20:19
【上り】6:31,17:20,20:04
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