上岡駅 かみおか(大分県佐伯市)
大正9(1920)年11月20日開業

公民館として再生した大正生まれの上岡駅上岡駅の構内図
 上岡駅は大正9年11月20日、鶴岡村(→佐伯市)に開業した。佐伯から4.6キロ。この時の開業区間は佐伯〜神原(→直川)間。大正6年から始まった日豊北線の建設で、佐伯から工事を進めた第1、2工区にあたる。

 無人化されたが、駅舎は大正9年の開業時のまま。現在は公民館として再活用されているのがうれしい。ただ待合室には棚もなく、のっぺらぼうの箱状態になっているのが残念。地区の人がよく利用するのだろうか、周囲はきれいに清掃されている。ホームも美しい。駅前にはカシ、ヒノキ、モチの木が並ぶ。モチの木は九州でここだけ。

「上岡駅」の下には「駅前公民館」の表示 駅正面玄関には「上岡駅」の駅名板の下に、りっぱな「駅前公民館」の表示板が掲げられている。待合室はそのままで、旧駅務室が公民館になった。公民館へは、改札口を入り線路側から回り込む。これに合わせ駅舎の外板の張り替え、瓦の吹きつけなどが行われている。  佐伯駅から城山隧道を抜け、鶴岡小学校裏手の堀割を越え、金蘭橋梁を渡り、津久見(東九州自動車道接続)に向かう県道36号線の陸橋をくぐると上岡駅だ。

 臥龍梅と大ソテツの龍護寺は東南にある。ホームのソテツもそのPRか。上岡駅を出て、9人の犠牲者を出した上岡隧道を抜けると、日豊北線最大18連の番匠川橋梁だ。

 佐伯駅が市中心部から北にずれている関係か、上岡駅のほうが、市南部に近い。直川村や宇目町から豊南高校や鶴岡高校に通学する生徒は、上岡で下車する。駅横のトイレは、平成13年11月に完成したばかり。


 大正9年の開業に合わせ、上岡駅の初代駅長は槇野仁氏(行橋駅助役)が着任した。駅員は4人。運賃は佐伯〜上岡3等9銭だった。11月20日、佐伯〜神原開業の記念式典は神原駅前で行われたが、上岡駅前でも素人相撲大会が開かれ、大いににぎわったという。


 上岡駅のホームの裏手100Mには不思議な十三重の塔が建つ。「十三重」と書いて“くじん”と読む。鎌倉時代の作といわれ、高さ7.58Mの石塔。龍護寺も近い。


 改訂 2004.4.18

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