市棚駅 いちたな(宮崎県北川町)
大正12(1923)年7月1日開業

2015年の風景 2003年 新しく完成した市棚駅のホーム上屋兼トイレ/下は2番ホームで発車を待つ457系の普通列車

 市棚駅は大正12年7月1日に開業した宮崎県最北端の駅です。北隣の宗太郎駅は大分県宇目町になります。大正6年から始まった日豊北線の建設で、延岡方から工事を進めた区間で、先に開業した延岡〜日向長井間(大正11年10月29日)に続いて、日向長井〜市棚間が完成し、営業を始めた。宮崎本線に編入され、日向長井にかわり、北の終点になった。
日豊線全通は半年後の12年12月15日。延岡方から上る宗太郎越えの麓駅になる。SL時代は、ここで列車はひと休み。勢いをつけて峠に挑んだ。

市棚駅の構内図 昭和20〜30年は木炭列車の発送で活況を呈した。13人の職員が働いた。昭和47年には無人化された。しかし、列車行き違いなどのため、現在も上下3線と下り側線1が並ぶ。貨物列車を待たせ、旅客列車同士の行き違いがあるなど、構内は壮観だ。駅舎は取り壊され、コンクリート造りのトイレのみが残っていたが、2003年に新駅舎ともいえる、新しいトイレ兼ホーム上屋が完成した。

 木造で、アーチ型の緑色の屋根がポイント。壁面には1メートル×2メートルのタイル画があり、観光名所の鏡山のハンググライダー、パラグライダーが描かれている。ホーム側のベンチも木製。トイレは男、女に加え、障害者用の車いす可能トイレも設置された。

 停車する列車は普通列車のみで5往復。2004年3月からは、この市棚駅を堺に上り(大分方)2往復、下り(延岡方)5往復。市棚駅で3本が延岡へ折り返す。


 駅東側を通る国道10号沿いには、郵便局と数軒の飲食店が並ぶ。猪肉の販売もこのあたり。同郵便局では猪肉の「ゆうパック」が人気らしい。ここは日豊海岸が一望にできる鏡山へのアクセス。ゴールデンウィークにはハンググライダーの大会が開かれるなど人気を集める。北浦町三川内に抜ける県道の整備も進んでいる。

(2004-03-06)

【追記】最上段の写真は2015年4月に撮影したもの。下りのトンネル方向に桜があり、保線用の軌道モーターカーが昼寝していました。 現在、普通列車はキハ220の単行で3往復、延岡折り返しが1往復あります。発着ホームは基本的に上り1番、下り3番なのですが、列車交換駅のため、18時下りは2番、19時台上りは3番です。時刻表にも黄色で表示。「この列車は乗り場に注意ください」の注意書きも。こんな感じです。運賃表もどうぞ。
市棚駅の運賃表 2015年
 下り上り
6 33 1番 大分
710 3番 延岡 
837 3番 南延岡 
17 11 1番 佐伯
1817 2番 南延岡 
19 55 3番 大分
2050 3番 南延岡 

平成の市町村合併で、市棚駅は宮崎県延岡市北川町に、文中の大分県宇目町は佐伯市宇目町になっています。
(追記 2015-04-10)


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