鉄道紀行作家の原点

 紀行文はおもしろい。旅の楽しさを再認識させてくれる。鉄道ものは旅だけでなく、ちょっぴり趣味的(マニアックという言葉はあまり好きではないが)なところもいい。同好のよしみとでもいうか。にやにやしながら、相づちをうつ。そんな楽しみがある。内田百間は「阿房列車」のタイトルにひかれて、まとめ買いした。それまで百間を知らなかったが、おもしろくて、はまってしまった。阿川弘之、宮脇俊三、種村直樹…。最近は鉄道趣味が一般化(メジャーという言葉は好きだが)し書き手も増えた。読む機会が増えたのはうれしいが、残念なことに質の低下も招いている。ここはひとつ先人の作品を読み返してみよう(by A6)

文庫本群
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No 作家/タイトル 内容 改訂
1 内田 百間 ★まずは大御所/阿房列車
2 阿川 弘之 ★海外に広げる阿房の輪/南蛮阿房列車
3 宮脇 俊三 ★乗りつぶしをメジャーに/時刻表2万キロ ☆☆
4 種村 直樹 ★レイルウェイライター/気まぐれ列車
5 紀行作家の本 ★読んだ本のリスト/お薦め ☆☆
時刻表2万キロ/文庫本 阿房列車/文庫本

内田百閒、阿川弘之を差し置いて申し訳ないが、宮脇俊三の本はよく読んだ。原点は「時刻表2万キロ」だが、初読は「汽車旅12カ月」だった。内田百間は「阿房列車」のタイトルにひかれて文庫本を買った。文学の世界に、こんな鉄道ファンの大先輩がいたのかと驚かされた。阿川弘之の紀行文も楽しい。これを読んだら、同行した遠藤周作、北杜夫が書いた紀行文も一緒に読むと痛快。鉄道ファンにつきあわされる狐狸庵、マンボウの言い分が楽しい。種村直樹の本は彼を囲む会の若者との旅行記になる。


改訂 2000.10.14

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